説明
ヒートポンプの加熱効率(加熱量/投入電力)や冷凍機の冷却効率(吸熱量/投入電力)には、熱力学第二法則から決まる理論上の最大効率が存在する。
なお、計算上1を超える値が得られるので、厳密には「効率」ではなく成績係数(COP : coefficient of performance)と表現される。
- ヒートポンプの理論COP \(\mathrm{COP}_{\mathrm{hp}}=\frac{T_h}{T_h – T_l}\)
- 冷凍機の理論COP \(\mathrm{COP}_{\mathrm{refrig}}=\frac{T_l}{T_h – T_l}\)
ここで、\(T_h\)は高温側の温度[K]、\(T_l\)は低温側の温度[K]。
要点
- 室温(環境温度)に対して設定温度が離れているほど理論効率が低くなる。
- 例: 環境温度が27℃、水を5℃に冷やす。\(\mathrm{COP}=\frac{5+273.15}{27-5} \approx 12.6\)
(投入電力以上に冷やせる。) - 例: 環境温度が27℃、ガスを-196℃に冷やす。\(\mathrm{COP}=\frac{-196+273.15}{27-(-196)} \approx 0.346\)
(極低温は効率悪い。)
- 例: 環境温度が27℃、水を5℃に冷やす。\(\mathrm{COP}=\frac{5+273.15}{27-5} \approx 12.6\)
- 理論効率は、逆カルノーサイクルから求められる。